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地球温暖化の影響とその対策について、サクッとした概論を。 [世界平和]

 昨日のNHKのBSニュースを見ていると、地球温暖化がすすんだ場合、日本で1000万人以上の生活に影響が出るという研究結果が出たという話が取りあげられていた。御覧になられた方も多いと思う。
 その話の要点は、IPCCの予測に基づき海面が59㎝上昇すると、日本の、東京、大阪、名古屋などの大都市の、かなりの部分が水没することになるというシューミレーション結果が出たというものであった。ニュースの画面上では、水没することになる地域が地図上に、青いマークで塗りつぶされていた。
 この結果、日本において、1000万人以上の生活に影響が出るという話であった。要は、水没した地域から移住するか、高床式住居に変えて、交通には舟を使う必要が出てくるみたいな話だと考えることができる。
 もしかするとというか、このまま、温暖化に対する有効な対策ができないと、日本のいろんな地域が、ベニスのようになりますよという話だと、私は理解した。
 上記の話のように、ヨーロッパの海抜が低い都市や、南の小さな島では、海抜の上昇は、極めて深刻な問題である。

 地球温暖化がもたらす脅威は、実のところ、海抜の上昇だけではない。
 もしかして、さらに深刻なのは、異常気象による、風水害や地球の砂漠化の問題であるのかも知れない。
 地球温暖化がすすんだ場合、大陸の奥地に、雨が降りにくくなることが指摘されている。
 海水温の上昇や海流の変化とともに、海面から蒸発した水分が、大陸の沿岸部に、大雨を降らす可能性が高まる。沿岸部で水害をもたらすほどの大雨が降る危険性が高まる一方、大陸の奥地は降水量がますます減ってゆくということである。
 この結果、世界の多くの都市が、水害の危険性が高まる。
 同時に、現在の熱帯雨林の地域が砂漠化する可能性が高まっている。
 日本のスーパーコンピューターは、アマゾン川流域が砂漠化してしまうことをシミュレイトしている。
 この傾向は、世界の農作可能地の減少をもたらすことになる。
 実際、アフガニスタンでは、農地への降水量が減り、農地がとても乾燥化し、通常の作物がまともに育たず、仕方なしに乾燥に強いケシが栽培され、それらはヘロインとなり世界に流通し、タリバンの資金源になっていたりする。タリバンの皆さんには、資金が入ってきているなら、用水路などの整備などをして欲しいものである。そうすれば、農民の皆さんも、普通の小麦やトウモロコシなどの作物を育てられるようになるのに…。
 また、台風、タイフーン、シロッコ。呼び名は様々あれども、熱帯低気圧の巨大化の問題も深刻だ。しかも、かつては台風、熱帯低気圧は、熱帯で発生するものであったものが、近年では、温帯地域で、巨大な台風が発生するようにもなってきている。
 アメリカの南部を、かつてない規模のタイフーンが大きな被害をもたらしたのは記憶に新しい。
 あの被災者の光景を見て、私は阪神淡路大震災を思い出した。
 また、異常気象のひとつとして、竜巻の発生が多発するようになりつつある。
 日本でも、北海道や日本の各地で、竜巻が発生し、それなりの被害を出すようになってきた。
 アメリカ合衆国でも、近年竜巻による大きな災害が頻発している。

 私達人類は、ひとつの大きな岐路に立たされつつあるのだと、私は感じる。

 多くの政治家が、「国益」という言葉を口にする。

「国益」を大切にするのも、それはそれで大切なことかも知れない。
 しかし、人類全体に降りかかってくる、厄災があるときに、「やれ、国益が」、「やれ、国内の経済が」、「安全保障問題が」、などとばかりいっているのは、「小さな問題に気をとられすぎて、大きな問題に対してあまりに無策」であるように感じる。
 地球規模で、「もうどうしようもない状況」に陥ってしまった場合、そこに「国益」とか、「宗派間の対立」などをいっているゆとりなど、なくなってしまうのだ。  

 そうした一方、温暖化対策も、徐々に進みつつもある。
 石炭発電所の二酸化炭素除去液化の話。
 バイオエタノール燃料ブーム。
 あのブッシュでさえ、ガソリンの30%をバイオ・エタノールにするといっている。
 その影響で、トウモロコシなどの値段が2倍以上になっている。
 作物が育つうちはいいが、先程も書いたように、大陸の奥地では、乾燥化、小雨化がすすんでいる。
 人々が食べる食べ物は確保できるのだろうか?
 日本では、かつて減反政策で大豆やその他の作物を作ろうとしたが、水はけが悪く使うに使えない農地が、資料用米や、バイオ・エタノール原料米の生産のために、再び水田に戻りつつある。これは、とても良いことに思える。日本の食糧自給率は、いざというときのためにもっともっと高める必要があると感じる。
 
 人類は、岐路に立たされているように思える。

 世界の国々が協力して、大気中の二酸化炭素を液化することにより、地球の大気中の二酸化炭素の割合を落としてしまうぐらいの「世界規模の大きな動き」みたいなものが、起きてきて欲しいと、私は心底、そんな風に思っている。

 地球の環境を守ろうとする人々の動きがある一方、「先進国は、過去に大量の二酸化炭素を排出し、地球を汚染してきた。私達も豊かになりたい」という国がある。それはそれで一理あるのかも知れない。
 先日、西日本の各地で、「光化学スモッグ」による被害が観測された。
 大陸の「世界の工場」になりつつある国が、盛んに大気を汚染している影響だ。
 私は、その国の影響を受ける地域に住んでいるが、黄砂現象に加えて、大気汚染の影響を受けるのはしんどい思いがある。
 その国でも、砂漠化が進行しつつあり、大河が極めて汚染されて飲料水に事欠いてみたり、大河が干上がってみたり、沿岸部では大洪水に見舞われていたりする。

「国益」という言葉が、もっと大きな視点に立って、「人類益」、「地球益」みたいな言葉に取って代わられる時代が来ることを願って止まない。
 いつまでも、「国益」というレベルでものごとを考える政治家や人々しかいない地球には、悲惨な未来しかないと思える。
 もしも、「人類愛」とか、「人類益」、「地球益」みたいな概念が、世界の人々のスタンダードな考え方の基本になれば、私達人類は、この困難な状況を見事に乗り越え、素晴らしい未来を手に入れることができるかも知れないし、そうなって欲しいと、心から願う次第である。


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コメント 4

その番組は見てないのですが、1000万人に影響とは・・・たいへんな数字ですね。実際に東京だと江戸時代以降の埋め立て地域は影響があると、以前に聞いたことがありました。とても気になりますね。
by (2007-05-24 18:28) 

旅人J

cocoa051さん。こんばんは。
 昨日のニュースでは、日本の国会で、二酸化炭素を液化し深海に沈めることを可能にする法案が可決されたようです。
 とてもタイムリーな記事でした。
 そして、日本の政治家の一部は、私のようなことを多少は頭に留め置いてくれている人がいるのが分かり、嬉しくもありました。
 今回の記事の中で「政治家の多く」と表現したのは、世界中の政治に携わっている人達のことです。
 国内の様々な問題があるのは、とても理解できますし、国と国の関係もとても難しいことがあるのは分かります。
 しかし、同時に、それらを乗り越えた動きも必要だと感じています。
by 旅人J (2007-05-25 00:14) 

ram

地球温暖化の影響とても気になります。
まず政治に関わる人が国益より地球益を考えてくれたら・・・
難しいことかもしれませんがそう思いました。
by ram (2007-05-25 17:29) 

旅人J

ram さん。こんばんは。
 いつもありがとうございます。
「地球益」って、いい言葉ですね。
 地球全体の安全や豊かさあっての「国益」ですから、世界中の政治に関わる人達には、そのあたりのことを大切に考えて欲しいものだと思います。そして、政治家に影響を与えるのは、この地球に住んでいるひとりひとりですから、沢山の人達が、地球全体のことに関心を持つ必要もあるのだと思えます。 
by 旅人J (2007-05-26 22:45) 

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