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近代物理学と現代物理学。 [Books]

 最近、最新の物理学である、「超ひも理論」の本を読んでいる。
 これがかなり面白い。

はじめての“超ひも理論”―宇宙・力・時間の謎を解く (講談社現代新書)

はじめての“超ひも理論”―宇宙・力・時間の謎を解く (講談社現代新書)

  • 作者: 川合 光
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 新書


 まだ読んでいる途中であるが、『タオ―老子 (ちくま文庫) 加島 祥造 (著)』にかなり共通する部分があるように思える。逆に表現すると、『老子』や「禅」の思想を、最新の物理学が、証明しているように見えたりする。さらに逆もまた真なりで、加島祥造氏の『タオ―老子』はとても新鮮な息吹が感じられる。加島祥造氏は、2006年度版の「文庫版後書き」の中で『老子』を「トップクラスの現代詩と感じたのです」、「全てがモダーンで新鮮だったので、私はそれを現代詩として表現した…」と書かれている。彼の試みは、とても活き活きと素晴らしい「詩」となって『老子』を甦らせているように感じる。
 関連記事。
 http://blog.so-net.ne.jp/tabibito_j/2007-09-10
 http://blog.so-net.ne.jp/tabibito_j/2007-09-07-1

 超ひも理論という、最新の現代物理学は、ニュートン力学、電磁気力学、相対性理論、量子物理学、これらを統一しようとする試みだ。この最新の物理学は、近い将来に、理論的にも(もしかすると実験的にも)実証されるのではないかとされている有力な理論。幾つかの方面から、この理論が正しいことが推測されている。
 この理論で、分子や原子、あるいはそれ以下という超ミクロの世界から、宇宙全体や宇宙のはじまりまで説明できている。また、時間や「力」までも説明がついてしまう。 

 三十年ほどむかし、私は化学、物理学、宇宙理論、天文学などが好きな若者だった。
 最近、近代物理学と現代物理学の本を三冊購入した。
 相対性理論に関する本。量子物理学に関する本。そして、上記の「超ひも理論」に関する本の三冊だ。

 相対性理論については、30年ほど前から三冊か四冊程度読んできた。
 相対性理論は、ある意味ロマンチックだ。
 時間やモノの長さが変化するのだから。
 実際、私達の脳の中では、シナプスを様々な情報が、電気的速度で伝達されたりする。
 光の速度に近い状態になると、その速度の中では、外から見ると、時間がゆったりと流れる。
 私達は、時折、瞬間的に大量の「思考の固まり」みたいなモノが浮かんだりするのを経験する。
 一瞬のうちに、文字や言葉にするとかなりの量になってしまうような、「思考の固まり」が浮かんだりする。
 こういう状態を、「禅」では、「突然に悟りが開く」と表現したり、「大悟徹底する」と表現したりする。
 私は、相対性理論の専門家ではないが、物理学的には、そういう状態を、シナプス同士が連結されて、瞬間的に、大量の情報が、光の速度に近い速度で遣り取りされた状態と説明できるのではないかと考える。
 物理学的に、そのようにとらえると、ごく短時間、瞬間といっていい時間の中で、人の脳という有機的スーパー・コンピューターの中で大量の情報処理が行われたと、そういう状態のことを表現できるとも思える。実際、神経細胞の上では、電気的に情報が伝達される。その速度は、光の速さにかなり近い速度が出ているはずだ。離れたシナプスの間には、化学物質的な遣り取りがあるので速度は落ちる。しかし、訓練を積むと、シナプス同士が結合することはわかっている。
 相対性理論から見ると、周囲の時計では、一秒に満たない時間の間で、文字に起こしたり言葉にあらわすためには、30分とか、一時間とか、三時間分の情報が、瞬時に処理されたような状態が起こりえるということを書いているわけだが、それは誰もが経験していることと思える。
 例えば、誰かが運命的な人に出会ったと感じるとき、ほんの数秒間見つめ合っただけで、その瞬間が、まるで数時間にも感じられたことがあるのではないだろうか。あるいは、憧れの人物にサイン会で握手してもらい、笑顔をもらったとき、その瞬間だけを思い起こしてみると、まるでスローモーションのように感じられたりするのではないだろうか。あるいはまた、交通事故に遭った人は、その瞬間が、何十倍にも時間が引き延ばされるように感じるというのはよく聞く話だ。あるいは、何かが鍵になって、遙か昔の記憶が一瞬のうちに大量に思い出されることも多くの人が経験している。これらの話は相対性理論で、そう感じたとおりの「時間」が脳内において、「実際に」、引き延ばされていると考えることができるのではないか。

 仏教において、「空」ということはとても大切にされる。老子においても、「何もない」ということは、そこから全てが生み出されたり、働きの中心になったりするという意味において大切にされる。最新の物理学である「超ひも理論」においても、そういう状態がその概念の基本にある。古神道においては、天御中主之神とか、まるにちょんの神をとても大切に扱いもする。全て共通した概念であるように私には思える。
 


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コメント 4

zoo

 コメントするのも恐れ多いスケールの大きな内容です。   

 自然科学の法則性を一つにまとめ上げることは、科学者の最大のテーマですね。大変興味があります。
 その理論に興味がある一方、人のいたる境地や自然な心の動かしかたが、自然科学を統一する理論に通じるところがあるのも、人も自然の産物ですから当然なのかもしれない、と、旅人Jさんの記事を読んでしみじみと感じました。

 ・・・コメントしてるじゃないか!とつっこまれそうです。
by zoo (2007-09-11 13:42) 

「旧」物理学と「近代」の量子物理学、及び電磁気学の全てですか・・・本当に統一理論ですねぇ。
by (2007-09-12 00:13) 

旅人J

 zooさん。おはようございます。
 私はほとんどわかっていないのですが、高度な数学は、もう哲学に近いという話を聞いたことがあります。
 西洋科学は、悲しい歴史も生み出してもきました。しかし、最先端の物理学や宇宙物理学などは、古来の哲学や思想に結びつくような結論に近づいてることがとても面白いと思えます。
 科学が、戦争や、核兵器に使われる時代を乗り越え、人々の希望や、喜びにつながる世界がやってくるといいなと思えます。
by 旅人J (2007-09-12 10:09) 

旅人J

 こけももさん、おはようございます。
 わたくしの場合、量子物理学は、どうしても核兵器を連想しがちで苦手気味ですが、しかし、核融合などは未来のエネルギーとして魅力的ではあります。ただし、相当に安全性を確保してやって欲しいことではありますが・・・。量子物理学と、相対性理論は、かなり矛盾する関係にあったわけですが、それらを融合させようとするのが「超ひも理論」ですね。
by 旅人J (2007-09-12 10:12) 

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